【必読】科学的に英語を勉強するということについて考えてみる~勉強法のフレームワーク編~

公開日:2016.08.17   更新日:2020.04.08
カテゴリ:英語の習得
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皆さんこんにちは、NILSでセブ島留学中、インターンのぽいすんです。

早速ですが、フィリピン留学をしてしっかり英語を勉強しようとするのなら、効率よくしっかり実力がつく方法で勉強したいですよね。
ここで、第二言語として、英語の実力を科学的に実証された方法で伸ばしていく方法論について詳しく述べられた本があるので紹介いたします。

英語を学習する英語学習論: ―スピーキングと総合力― 単行本(ソフトカバー) – 2012/9/25

この本の著者の青谷正妥 准教授は、京都大学で英語を教えていて、TOEFL iBT,TOEFL CBT, TOEIC 全て満点という紛う事なき猛者です。

方法論についても、著者の個人的な経験にのみでなく、最新の学術的な研究結果に則って展開されていることから、信頼度が非常に高いという点でも、一読の価値がある本です。

ただ、内容的にはかなり濃い分、理解するのに、とっつきが悪いと思います。

このため、本書の内容を簡単に紹介させて頂きます。 
ブログをみるよりも、はるかに得られるものが多いので、もっと詳しく知りたい人は本書を是非購入なさってください。

まず前提として、母語話者は小学校入学までに17000時間以上の英語に触れ大学入学までに50000時間もの英語時間の英語経験を積むとされています。

一方、日本人の場合中学・高校で約3000時間の英語に触れるだけだといわれています。

ネイティブスピーカーと比較して、英語に触れる時間が絶対的に少ないから、これでは英語ができないのは当然ですよね、と、著者は指摘しています。

本書の到達目的としては、教養のあるネイティブ(大卒以上)と、対等に議論できるレベルとしています。

そのレベルに達するには、効率的に学習したとしても13時間で10年間約1万時間もの学習が必要だと著者は述べています(ただ、ネイティブが英語に触れる時間よりははるかに短い時間で到達可能です)

さて、英語の勉強方法論に入る前に、宣言的知識と、手続き的知識という2つのタイプの知識について説明します。 
この
2つの知識のタイプの特性を理解して両方をバランスよく高めていくのが英語力を高める秘訣となります。 
ただ、いきなり宣言的知識とか言われても意味不明なので簡単に説明します。

宣言的知識というのは、言葉で内容を説明できる知識のことです。
英語で言うと文法知識で三人称現在単数形では、動詞にsをつけるとか、辞書的・教科書的な知識のことです。

一方手続き的知識というのは、自転車に乗るときに、よろけないようにバランスをとるとかは、明確に言葉で説明できないですよね。これを手続き的知識といいます。
知識というよりも体が覚えていて、使いたいときにはほぼ無意識的に使える
[技能]と言い換えてもいいかもしれません。

このとき、宣言的知識と、手続き的知識というのは、使っている脳の部位が違います。

ネイティブスピーカーが喋るときには、手続き的知識の部分の脳を使っており、無意識的にすごく流暢にしゃべれるわけです(私たちも日本語は無意識的に流暢にしゃべれますもんね)。 
英語を流暢にしゃべりたかったら、手続き的知識を脳に叩き込まないといけないわけですね。

一方で、日本で英語の授業を受ける場合、文法の授業とか、英→日訳読が殆どなので、言葉で説明出来る、ほぼ宣言的知識しか獲得できません。これでは、日本の英語教育では流暢に話せるはずがありませんよね。

 

英語を操るのには2側面あり
1どれだけの英語を学んだか(文法、言い回し、単語など)・・・宣言的知識
2
学んだ英語をどれだけ使いこなせるか・・・手続き的知識

どっちかに偏るのではなく、①、②の両方をバランスを取って勉強するのが、一番効率がよいとしています。

知識としてしっているものを覚えているうちに何度も使って定着させて、無意識的にでも使えるようにしていく。当たり前っちゃあたりまえですね。

さて、大卒のネイティブと対等に議論するには、文法、語彙・表現などの宣言的知識が十分あって、さらにそれを手続き的知識で無意識的に利用できる状態にならないといけないわけです。

そのためには以下の要素が必要です。

1、十分な宣言的知識
手続き的知識の獲得には幼児期のように、敏感期・最適期があるけど、宣言的知識は基本的に大人になっても衰えることはありませんので、頑張って勉強しましょう(音感とか、運動神経は若いうちに作られるって言いますもんね、実は外国語の音声もそうです)。

語彙に関していえば、覚えている単語自体の数じゃなくて、 Word Familyというものの数が重要になってきます。
Word Familyとは、helpという単語を例にすると、 helpless, helplessness, unhelpful, helped,helpingといった、活用形・派生形があるんですが、これらを一まとめにして1 Word Familyと数えます。

リーディングをするには 70008000 word families, リスニングには60007000word familiesそして、ネイティブの大学生には10000word familiesが必要との研究結果があります。 最終目標としては10000Word Familyの習得を目標とすればよいようです。ただ、単語(Word Family)を覚える時は、発音記号と一緒に覚えるのが必須です。

一方、文法については中学・高校で学んだ知識で十分とのことです。ただ、それを知らないと、日本語の文法知識が干渉して誤った解釈をする可能性があるので、文法知識が弱い人は必ず学習する必要があります。

2、大量学習・反復学習
実際に学んだ宣言的知識を手続き的知識へと変換するには、実際の英語の音声や文章を読んで、獲得した宣言的知識(文の構造とか単語)が使われているのを何度も目にするうちに手続き的知識として体に馴染んでくるのです。

3、時限訓練
これは、制限時間以内にしゃべるとか、最低何分はしゃべるという上限・下限を区切って負荷を高めることにより、流暢性養成に不可欠な手続き的知識の獲得を目指す学習で、著者は強く薦めています。

この大量学習・反復学習については、やっているうちは中々伸びているのが実感できず辛いのですが、ある時突然自分の中で英語のレベルが飛躍的に上達する日がやってきます。これは、自転車の練習を例にすると、最初は何度も転倒していたのがあるときを境に転倒しなくなりスムーズに乗れるようになった感覚をイメージです。


具体的な学習法に入る前にもう少し具体的なフレームワークについて紹介します。

1、Meaning Focused Input(意味重視のインプット)
聴解と読解の練習ですね。 
この練習で使う教材の単語は最低95%,理想的には98%は既知であるものを使い」どんどん処理をしていく訓練になります。
これをやることによって、インプット処理に使える・構文・文法・語彙といった宣言的知識の手続き的知識化を促します。

2. Meaning Focused Output(意味重視のアウトプット)
話す練習と書く練習です。
概ね自分の知っている英語の宣言的知識を使ってアウトプットをする訓練です。
新しい語彙や表現の獲得も目指すほうが望ましいので、多少は自分の知らないことも盛り込んでいく努力はすべきですね。

単語の98%がわかればインプットはできますが、話す・書くとなると一つの単語がわからないとビタッと止まってしまうので、自分の弱点となる部分が明確化されます。その部分にしっかり意識をして、英語を読む・聞いていくと話す・書くというアウトプットにも手続き的知識としても使えるようになります。

ここでは、和文英訳ではなくて、自分の気持ちを直接口頭で表現したり、お題に対して英作文・スピーチしたりというトレーニングの方がよいです(ここは留学しないと中々できない部分かなとも思います)。

どんどん処理をして手続き的知識を獲得していくのがメインなので、わからなかった部分については、アウトプット訓練とは「別に」調べる時間を設けてください。

3.Language-Focused Learning(言語形式の学習)
言語についての宣言的知識を意識的に増加させる訓練です。
語彙・表現・文法などです。定期的に復習してしっかり定着させましょう。

4. Fluency Develop Ment(流暢性の養成)
自分のもっている宣言的知識をフルに活かすための訓練です。
意味を伝えるのが目的で、宣言的知識としてはしっていることを扱う。
時限訓練などを取り入れ早い処理を促す。 大量学習を心がけることが肝要です。 
宣言的知識が流暢に扱えるようになると、英語を読む・聞いた時に扱える語の塊が増えて、自分が扱える・英語の流暢さ・正確さ・複雑さのレベルアップ全てが成し遂げられます。

さらに言語を学ぶ上では、自分が犯しやすいミスという傾向があるはずなので、ミスをしたと気が付いたら、その都度意識をして修正しないと、間違った知識が手続き的知識として定着しかねないので、間違えたらその都度直していきましょう。 
英語のスピーキングだと 冠詞の
a anを間違えたりとか、三人称現在単数のsが抜けたりとか時制を間違えたりとかは気が付きやすいミスだけど犯しがちだと思います。

ちょっとブログとしては長くなりすぎるので、どういう教材を使って、どう勉強していくかというより具体的な話は次回のブログで紹介させて頂きます。

この本はブログの内容よりもはるかに内容が濃くて得るものが多いので、本当に一読をオススメ致します。

最初私が読んだときはこうなりましたが。何度も読めばするめのように味がでてきますよ(私はするめは嫌いですが)。

 

NILSの事が気になったらお気軽にお問合せください!(^^)!

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タグ:TOEIC勉強法
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